ぐーぐー 腹の虫を鳴らせるものは、空気?
1月末日、ヨガの虫につづき、虫に着目。
今回は腹の虫(*)。
*お腹がすくと、なぜ「グーグー」と鳴るの?
たぶん、咳くしゃみ、鼻水をすする音、おならなどは、異物や消化物などが体外へ出るとき、それぞれの内容物が空気と触れることで、空気が振動し、その波動の長短で、それぞれの音になるのではないかしらんと思う。
では、からだの中から発する腹の虫はどうか? 胃や腸を移動する食べ物が、胃壁や腸壁にゴツンゴツンとぶつかる音か? はてさて分からないなぁ…。
*空気が圧迫されると、音になる!?
一説によると、胃袋は空腹がひどくなると、強い収縮が起こるそうで、これを「飢餓収縮」というらしい。もちろん空腹時だから、胃の中に食べ物はない。空の胃袋にあるのは空気で、収縮によって空気が圧迫されて「グーッ」と鳴るのだという。
20年近く前、父がフィルムカメラの「イオス」をプレゼントしてくれた。大事にしなくてはと、カメラ店に出向き、レンズのほこりを吹き飛ばす備品を買ったことがある。ゴム製の風船の先にブラシがついていて、風船を握ることで空気を押し出し、その勢いでほこりを吹き払うというもの。こちらの音は、シューシューと清々しい、耳に心地よい音だった。
おそらく胃もそのように空気を押し出すのであろうが、胃の場合は、「グーグー」と濁音になる。「お腹がすいた!」「腹ペコだ~」「めしよこせ!」と主張するには、濁音でないと効果が半減してしまうのかも。
――音にみる「人体の不思議!」だ~、と妙に納得する。
昨夜は、「ほうれんそうと豚しゃぶ」、「はんぺんのチーズはさみ焼き」を食べる。おいしかったよ! お腹の虫はごきげんになり、静かに眠ってくれました。まずは、めでたしめでたしです。
* 腹の虫 寒に沁みる今宵七草 笑子
*余話―― 好物のエビフライと、魚肉ソーセージのソース焼き
母が「マーニャ」と呼んで、慈しんでくれた幼い頃から、お腹がすくと落ち着きがなくなり、母やおばあさんの周りをうろうろ。
忙しくて相手にされないときは、隣のおばさんの家にあがりこみ、魚肉ソーセージのソース焼きをねだったものだ。
昭和30年代半ば、三世代の同居は珍しくもなく、兄弟は3人以上の家庭が多かった。その頃の食べ物は質素で、かぼちゃの煮物、塩鮭、大根のつけもの、青菜の胡麻和えなどが食卓に並んだ。当時、小学生のわたしは、ゴマすりや、鰹節をけずるおばあさんに呼び止められ、よく手伝わされたものだ。その頃の木製の削り箱は、まだ実家にあるはずだ。
わたしの好物は、1にエビフライ、次はすき焼きとカレー。ケチャップたっぷりのオムライスも大好き。これらはたいへんなご馳走だった。
グーグーとお腹が鳴ると、母に内緒で「かっぱえびせん」や、「マーブルチョコ」を戸棚から取り出し食べていたっけ…。あまり食べると気持ち悪くなると分かっていても。手はとまらない。よくブラウン管から流れていたCMの通り、「とまらないとまらない♪ かっぱえびせん♪」状態であった。
最近、簡単な家庭料理にめざめたわたしは、祖母や母がなにげなく調理した食べ物の味が思い出され、わけもなく、しみじみとさせられる。年をとった証拠かも。でも年をとることって、さまざまな妙味が少しは分かるようになり、それはそれでいいもんだなと…。強がりではなくそう思う。
先日、大根と里芋で西洋風の香味煮をしたところ、これがやけにおいしかった。大根の葉や皮も捨てずに利用したよ、と母に話すと、電話口で母はさらりといってのけた。「貧が食を豊かにさせる」と。いやはや、言いえて妙でした。
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